tsumiki
敷地は新興住宅地の一区画、建蔽率30%の条件に対して、
居室ごとに異なるイメージの空間を依頼された。
建物の中心に階段室を配置し、動線を短くすることで
コンパクトでありながら、居室空間を最大限確保した。
階段室は建物内の通風の機能とトップライトによる採光により、
室内でありながら、より外部に近い環境をつくり出している。
これらの操作により、外部、室内、階段室を行き来することで
内と外の認識が強まり、「個」の空間を強調する効果を狙った。
また、各居室は「床仕上げ」「天井高」「窓の方位」が異なり、
居室ごとの性質を変化させている。
それは和風、北欧と異なる雰囲気を好まれるクライアント、
そして、成長とともに変化するであろう子どもたちの好みも受け入れ、
ひとつの建物の中で成立させている。
この考えは外構のつくり方にも影響している。
建物を敷地の中心に配置し、隣地境界線に対して
角度を振ることで、奥行きと広がりを持たせた。
それにより窓からの抜け感と異なる性質を持つ4つの庭を獲得した。
建物内外を小さく分割し、積み木を組み合わせるように
再構成したこの空間は多様な居場所を持つ住宅となった。